「遷化」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:28時点における最新版
せんげ/遷化
高僧の死去を尊称していう語。この世での教化を終えて、他の世に教化を遷すという意味。遷移化滅の略(無著道忠『禅林象器箋』第一九類喪薦門)。『南屛燕語』下は、「遷化の字は漢書に出たれども、死を遷り化する義に取るのみ。釈師の卒するは、此土の化縁尽て、他方に遷り化度するの義なり」(京都大学附属図書館蔵、谷村文庫、二三ウ)とある。『大乗義章』五は「菩薩後時、他土に遷化す」(正蔵四四・五七八上)とある。僧俗を問わず、徳のある人が亡くなった場合にも用いられていたが、僧侶の死去を指すようになった。『釈氏要覧』下は、「送終 初亡 釈氏の死するを、涅槃、円寂、帰真、帰寂、滅度、遷化、順世と謂う。皆一義なり。便に随ってこれを称し、蓋し俗に異するなり」(正蔵五四・三〇七中)とある。『引声阿弥陀経』の回向には、「遷化大師等成正覚」(『浄土宗法要儀式大観』二・一五六)とある。
【執筆者:西城宗隆】