「授手印伝心抄」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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じゅしゅいんでんしんしょう/授手印伝心抄
一巻。聖冏撰。応永四年(一三九七)成立。三巻七書のうちの一つ。五重相伝の伝書である第二『授手印』の末書。その書名は聖光が法然から相伝された安心の要旨(伝心)を示した『授手印』の注釈であることをもって『伝心抄』と名づけられた。内容は大きく大綱・義趣の二つに分かれ、さらに大綱は述作由来門と指授奥旨門に分けられる。述作由来門では本書が著された由来が述べられ、指授奥旨門では結帰一行三昧は善導『往生礼讃』前序に明かされているものであることを述べている。義趣は入文解釈として、『授手印』の序文・本文の解釈がなされている。とくに本文の解釈では口伝を用いて解説されている。
【所収】『伝灯輯要』下、聖典五、浄全一〇
【参考】『昭和新訂三巻七書』解題(総本山専修道場、一九三八)、阿川文正「『授手印伝心抄』解題」(聖典五、一九九八)
【執筆者:沼倉雄人】