高村光太郎
提供: 新纂浄土宗大辞典
たかむらこうたろう/高村光太郎
明治一六年(一八八三)三月一三日—昭和三一年(一九五六)四月二日。彫刻家、詩人。本名は光太郎。父は彫刻家の高村光雲(一八五二—一九三四)であり、光雲の実家・中島家は東京の浄土宗寺院の檀家であった。光太郎は東京美術学校卒業後、欧米に遊学し、特にロダンに傾倒する。奥州花巻に疎開中、妻智恵子の法要の際に『一枚起請文』を聞いて衝撃を受け、「仏を信じて身をなげ出した昔の人の/おそろしい告白の真実が/今の世でも生きてわたくしをうちました」(『松庵寺』)と詠んだ。彫刻作品として『獅子吼』『手』『裸婦像(乙女の像)』、詩集として『道程』『智恵子抄』『典型』などの代表作がある。享年七三歳。
【執筆者:宮入良光】