首楞厳三昧
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゅりょうごんざんまい/首楞厳三昧
あらゆる法門を包含する三昧のこと。Ⓢśūraṃgama-samādhiの音写語、首楞伽摩三摩地とも音写される。首楞厳(Ⓢśūraṃgama)は健行や勇行などと訳され、勇敢に行くこと、あるいは英雄の行進といった意味。大乗経典や論書に広く説かれるなか、『首楞厳三昧経』に詳しく説かれる。そこでは、首楞厳三昧を得ることにより、菩薩は様々な行いが可能になるとされ、さらに、この三昧はあらゆる法門や三昧を収めるものであり、あらゆる三昧や覚りに至るための法は、すべて首楞厳三昧に随従するものとされる。また『涅槃経』では、「首楞厳三昧には五種の名あり。一には首楞厳三昧、二には般若波羅蜜、三には金剛三昧、四には師子吼三昧、五には仏性なり」(『北本涅槃経』正蔵一二・五二四下)として、五つの名を明かしており、特に仏性との関係が重視されている。
【参照項目】➡三昧
【執筆者:石田一裕】