天台座主であった顕真が、姨おばの禅尼に宛てて送ったとされる念仏勧進の消息。一三世紀初頭には流布していたと思われるが伝存せず。成立は未詳だが、『四十八巻伝』一四では、文治二年(一一八六)一二月二九日に護摩堂の尼御前に宛てたものとしている。『一期物語』、『琳阿本』三、『九巻伝』二では自身の妹に宛てたものとしている。
【資料】『一期物語』、『四十八巻伝』一四
【参照項目】➡顕真
【執筆者:笠島崇信】