鐘
提供: 新纂浄土宗大辞典
かね/鐘
撞いたり打ったりして鳴らす犍稚物。つり下げて鳴らす物に洪鐘、喚鐘などがある。ひろくは釣鐘と呼ばれ、大きな鐘の意として洪鐘、寺院(梵寺)で使用するので梵鐘、または撞鐘、鯨鐘、大鐘などとも呼ばれる。鐘楼につり下げて、法要の勤修、時の告知、除夜、非常を知らせるために撞かれる。また洪鐘の半分の大きさのものを喚鐘(半鐘)という。知恩院の洪鐘は京都方広寺、奈良東大寺と並ぶ大鐘として知られる。『諸回向宝鑑』二には「打鐘功徳文」に「もし鐘を打つときは、三悪道の一切の苦悩皆停止し、五百億劫の重罪を滅して、魔悪を降伏す」(二九オ)とあり、また「聴鐘声功徳文」に「ひとたび鐘の声を聴かば、当に願くは衆生をして三界の苦を脱し速やかに菩提を証せん」(二九オ)とある。
【執筆者:斉藤隆尚】