足半の御影
提供: 新纂浄土宗大辞典
あしなかのみえい/足半の御影
法然の御影の一。京都市右京区梅ヶ畑檜社町・慰称寺所蔵。足半とは、山村の作業用または山登り用の踵のない、短いわらじのことで、同寺蔵の『元祖大師縁起』によれば、愛宕山の月輪寺へ参詣の法然が梅ヶ畑の地を通ったとき、風雨激しく山道悪く、地元の老婆は足半を法然に奉った。法然は後日念仏教化のため、足半を履いた自らの姿を描いて老婆に授けたという。この御影は頭のくぼみが少なく、顔はきびしく、また左手を上方にして念珠をつまぐる姿が特徴である。
【参考】成田俊治「教団の発展と祖師像」(浄土宗開宗八百年記念論文集『法然上人研究』隆文館、一九七五)
【参照項目】➡法然上人御影
【執筆者:成田俊治】