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賽の河原

提供: 新纂浄土宗大辞典

さいのかわら/賽の河原

冥土の途中にあり、親に先立って亡くなった子供が、その報いのために苦を受けるとされる河原。三途の川の河原の名称。賽の河原では、子供たちが父母恋しさのために泣き、親への回向のため、自分の功徳を積むために石を積むが、夕方になると黒鉄の棒を持った鬼に積んだ石を崩されてしまうことを繰り返す。しかし、そこに地蔵菩薩が現れ、子供に憐れみをかけてくれるとされる。日本各地には、荒涼たる景観で死を連想させる場所に、賽の河原と名付けられた場所が存在する。例えば、有名な霊場である恐山は、死者の霊魂が集まる場所であるとの信仰を集め、死者と生者が交流を図ることのできる場所とされているが、ここにある宇曽利湖うそりこの湖岸には賽の河原と呼ばれる場所がある。また、群馬県にある草津温泉の西さいの河原と呼ばれる一帯は、辺り一面から硫黄成分の温泉が噴き出す奇景をなしている。


【参照項目】➡三途の川


【執筆者:名和清隆】