観経疏顕意抄
提供: 新纂浄土宗大辞典
かんぎょうしょけんいしょう/観経疏顕意抄
巻数不明。入阿述。善導『観経疏』の註釈書。序分義一巻、定善義一巻、散善義二巻が現存する。著者「入阿」について、塚本善隆は、聖光門下で良忠とは法兄弟にあたる敬蓮社入西(入阿)と推定したが、坪井俊映はその所述内容から鎮西義ではなく諸行本願義の著作であるとし、長西門下に列せられる入阿空寂のことであろうと推定している。散善義の翻刻が坪井俊映「金沢文庫蔵観経疏散善義顕意抄(入阿述)について」(佛大紀要三七、一九六〇)にある。
【参考】塚本善隆「金沢文庫所蔵浄土宗学上の未伝稀覯の鎌倉古鈔本」(浄土学五・六、一九三三)、坪井俊映「金沢文庫蔵観経疏顕意抄の著者入阿について」(『金沢文庫研究』六四、一九六一)
【執筆者:吉田淳雄】