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臨終正念訣

提供: 新纂浄土宗大辞典

りんじゅうしょうねんけつ/臨終正念訣

一巻。『臨終正念往生文』『臨終正念要訣』また『善導和尚臨終正念訣』ともいう。善導撰。本書は唐の道鏡・善道の『念仏鏡』に収録されている短いテキストであり、これが後世善導の作として誤って伝承されたと考えられている。内容は、知帰子と浄業和尚(『念仏鏡』では善道和尚とする)による臨終正念をめぐっての問答であり、臨終に医薬品を用いること、神に禍福を祈ること、臨終の念仏について述べられている。『龍舒浄土文』([1]や、『楽邦文類』([2]にも引用されている。


【所収】浄全四、正蔵四七、続蔵一〇七


【参考】藤堂祐範「宋版臨終正念要決に就て」(浄土学一四、一九三九)、玉山成元「善導著『臨終正念要決』について」(『善導大師の思想とその影響』大東出版社、一九七七)、藤堂恭俊「『臨終要決』の異本とわが国における流伝」(『善導教学の成立とその展開』山喜房仏書林、一九八一)


【執筆者:齊藤隆信】