煩悩の異名。煩悩は衆生に纏まとわりつき、衆生を束縛するから纏縛といわれる。『無量寿経』上に「魔の網を壊裂して、もろもろの纏縛を解く」(聖典一・二一六/浄全一・二)とあり、注釈は「魔の網」を邪業、「纏縛」を煩悩と釈している(『無量寿経義疏』正蔵三七・九八上)。また論書においては、纏と縛をともに煩悩の異名とするが、別々のものと考える。そして纏に一〇(あるいは八)を、縛に三(あるいは四)を説く。
【資料】『無量寿経義疏』一、『俱舎論』二一
【参照項目】➡煩悩
【執筆者:石田一裕】