著作の冒頭で肝心要な事柄を提示し、それ以降の説示は全てその事柄を明らかにするためのものという著述の形態。代表的なものは『選択集』の冒頭で題の下に「南無阿弥陀仏、往生の業には念仏を先とす」(聖典三・九七/昭法全三一〇)とあるのが結前で、それ以降の一六章の説示はみなこの往生の業を明らかにするための生後であるということで、聖光の『徹選択集』に解説されている(聖典三・二五九)。
【資料】『徹選択集』(浄全七)
【執筆者:郡嶋昭示】