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空也堂

提供: 新纂浄土宗大辞典

くうやどう/空也堂

京都市中京区蛸薬師通堀川東入亀屋町。紫雲極楽院光勝寺。天台宗(もと時宗)。天慶元年(九三八)、狩猟を好んだ平定盛が空也教化により剃髪出家し、一宇を建立して空也開山とし自ら二世となった。開創の地については洛北鞍馬、あるいは北小路猪熊市町など諸説ある。もともとの空也堂は応仁の乱で焼失し、のち三条櫛笥くしげに移ったことから、三条道場とも櫛笥道場とも言われた。寛永年間(一六二四—一六四四)に現在地に移り、もと西岸庵・寿松庵・利情庵・南坊・正徳庵・東坊・金光庵・徳勝庵の八寺の塔頭があり大いに栄えたが、幾度も火災に遭い、明治の初めにはすべての塔頭が廃絶した。本堂には空也の像を安置し、毎年一一月の空也忌(第二日曜日)には歓喜踊躍かんぎゆやく踊り念仏、並びに近年では六斎念仏の奉納もされている。


【資料】「山城名勝志」四(『京都叢書』一三)


【参照項目】➡空也


【執筆者:藤野立徳】