一二世紀後半から一三世紀初めにかけての僧。履歴等不詳。法然の弟子となって一向専念の行を修した。熊野山へ参詣したとき、法然が配流されたのを知り、急いで下向しようとしたが、重病となり熊野権現に祈ったところ、夢で臨終が近いので下向はできないが、法然は勢至菩薩の化現なので安心するよう示され、その後しばらくして往生をとげたという。
【資料】『四十八巻伝』三五(聖典六)
【執筆者:野村恒道】