ぎしんおうじょう/疑心往生
浄土往生を疑う心を持った者が往生すること。良忠『疑問抄』下に、疑心には、機法二種の深信や本願を疑う安心の疑心と、機法二種を信じ、往生を疑わないが、わが身は決定往生の機であるかどうかを疑う起行の疑心の二種類があると説かれている。さらに起行を疑う人に二種あり、一つには、三心を具足するも、わが身の機根が劣っており厭欣心が緩慢なことに飽き足らない人で、この人は往生が可能であり、二つには、厭欣心も緩慢で三心もなく志も低い人で、この人は道理を疑っているので往生は不可能であると説かれている。
【資料】『東宗要』三、『銘心抄』下、『糅鈔』三七
【参照項目】➡疑城胎宮、疑心、二種疑心、辺地往生
【執筆者:曽田俊弘】