阿川貫達著。昭和三二年(一九五七)四月、初版。浄土宗刊。初学の学生に浄土宗義の綱格を示すために著された。善導・法然・聖光・良忠二祖三代の伝灯の釈義によって解釈している。当時、宗義の解説書の中に伝統的解釈に添わぬものが見られたので、宗の依頼によりそれを明らかにしたもの。長く浄土宗関係大学などで教科書に用いられ、宗学者必読の書と言えるが、文体等は古格に満ち、現代にあってはしだいに難解になっているのが惜しまれる。
【執筆者:阿川正貫】