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法然と教阿弥

提供: 新纂浄土宗大辞典

ほうねんときょうあみ/法然と教阿弥

吉田絃二郎よしだげんじろう作の戯曲。大正一五年(一九二六)にプラトン社発行の雑誌『女性』第一〇巻四号で発表された。その後、いずれも新潮社から刊行された、昭和二年(一九二七)の『地にあれば』、同三年の『生命の彼岸』、同一〇年の『吉田絃二郎全集』二に収録されている。主人公は教阿弥陀仏天野四郎)で三幕からなり、法然は第一幕では四二歳頃の設定、第二幕と第三幕では四七、八歳の設定で登場する。『古徳伝』に見られる天野四郎の逸話に脚色を加えたり、天野四郎と他の登場人物との愛憎や、法然自身の迷いを前面に押し出したりと、独自の物語が展開されている。また、法然天野四郎を「弟子」と呼んでいた部分が「門徒」になっているなど、版によって多少の異同が見られる。


【資料】『古徳伝』四、『四十八巻伝』二〇


【参照項目】➡天野四郎


【執筆者:島恭裕】