けっとうけんもん/決答見聞
二巻。良祐述。元亨四年(一三二四)以前成立。良忠『疑問抄』の注釈書。名越派伝書の一つ。もとは木幡派の伝書であったと考えられ、良忠—良空—浄妙—良祐と口授された相伝の義を良祐が紙上に書写したもの。良祐はこれを元亨四年四月、良俊に授けた。奥書に「安心・起行の肝心、偏に此の『見聞』に顕われたり」(続浄一〇・三六九上)といわれるように安心と起行に対する注釈が重点的に述べられている。この『決答見聞』がいつごろから名越派に採用されるようになったかは不明。
【所収】続浄一〇
【参照項目】➡決答授手印疑問抄
【執筆者:沼倉雄人】