えいべん/永弁
康和五年(一一〇三)—。法然と同時代の天台僧。摂津の人。俗姓未詳。寿永二年(一一八三)少僧都、翌年律師、元暦二年(一一八五)法印。檀那流の恵光房澄豪の四哲(弁覚、智海、永弁、長耀)の随一、その義を恵光流と称した。証真は竪義にあたって永弁を師と仰ぎ、顕真が出離の道について法然と談義したいわゆる大原問答は、永弁の助言と斡旋によって実現したという。席上、永弁も罪業と往生などについて質疑を交わしている。
【資料】『四十八巻伝』五、一四(聖典六)、『大原談義聞書鈔』(浄全一四)、『天台明匠記』、『僧綱補任』残欠(仏全「伝記叢書」)
【執筆者:伊藤唯眞】