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極楽遊意

提供: 新纂浄土宗大辞典

ごくらくゆうい/極楽遊意

一巻。『観経遊意』『安楽遊意』ともいう。静照撰。正暦元年(九九〇)以降の成立か。『観経』説示の一六想観の一一を解釈したもの。智顗摩訶止観』の思想を基盤とし理観の念仏を強調しつつも、「第一六下輩生想」段では、静照自身の凡下の自覚に基づく、事観の称念往生をも認めている。また、巻首を欠くが、長承四年(一一三五)の古写本が東大寺図書館に現存する。


【所収】佐藤哲英『叡山浄土教の研究』資料編(百華苑、一九七九)


【参考】佐藤哲英『叡山浄土教の研究』研究編(百華苑、一九七九)、奈良弘元「静照の往生思想」(『日本大学人文科学研究所研究紀要』二九、一九八四)


【執筆者:和田典善】