『観経』のなかで釈尊が西方極楽浄土に生まれるための教えを説く対象者のこと。釈尊滅後の、常に輪廻を繰り返す衆生であり、濁世の九品の凡夫(大乗に遇った上品の凡夫、小乗に遇った中品の凡夫、悪に遇った下品の凡夫)のことである。善導は『観経疏』玄義分で教えの対象となる衆生を聖人しょうにん(大乗、小乗の菩薩や声聞など)ではなく凡夫とする。
【執筆者:眞柄和人】