一般的には、天台宗で朝に法華懺法せんぼう、夕に例時作法が行われる日常の勤行法を指す。本来は、平安浄土教の信仰形態を表す用語である。慶滋保胤よししげのやすたね撰『日本往生極楽記』をはじめとした平安往生伝には、『法華経』と『阿弥陀経』に基づく行法の併修・兼行は自明のこととして紹介されている。しかし、後世になるとその意味を誤解して、一貫性のない信仰・態度を指すこともあった。
【参考】木内尭央「朝題目夕念仏」(日仏年報四三、一九七八)
【参照項目】➡例時作法
【執筆者:能島覚】