だんわくしょうり/断惑証理
煩悩の障りを断ち切り、真理をさとること。「だんなくしょうり」ともいう。惑は煩悩、理は真理。法然は『無量寿経釈』で「(末法においては)断惑証理なきが故に、生死を出づる輩なし」(昭法全六八)とし、天台真言の各宗は皆、頓教と称しているが断惑証理を条件としているので頓教とは言い切れず未だ漸教である。それに対して浄土宗は凡夫が未断惑(煩悩を断ち切らぬまま)にして直ちに三界の長迷を出過することを得ると結論付け、故に浄土の教えこそが「頓中之頓」であるとしている。
【参照項目】➡浄土頓教
【執筆者:渋谷康悦】