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念光

提供: 新纂浄土宗大辞典

ねんこう/念光

天正一三年(一五八五)—正保三年(一六四六)一月五日。相模の人。木食法誉という。京都守興寺、光念寺の開基捨世派苦行念仏者。箱根塔ノ沢に在住していた弾誓たんぜいについて出家し、木食長斎して苦行修練に専念した。塔ノ沢において念仏を行じていたときに病を患い、弾誓の教示により温泉に浴し平癒した。これが塔ノ沢温泉の始まりとされる。弾誓門弟の中でも特に師恩を重んじ、師恩に報いるため元和元年(一六一五)に京都田中に守興寺(現・京都市左京区田中南大久保町守皎寺)を、寛永三年(一六二六)に紫竹(京都市北区紫野上野町)に光念寺を建てて、弾誓開山とし不断念仏を修した。また、造像の技術にすぐれ阿弥陀仏像を造立しては諸所に奉祀した。


【資料】『弾誓上人絵詞伝』下(浄全一七)、『蓮門精舎旧詞』四五(続浄一九)


【参照項目】➡弾誓


【執筆者:笠島崇信】