念仏往生修行門
提供: 新纂浄土宗大辞典
ねんぶつおうじょうしゅぎょうもん/念仏往生修行門
聖光作。成立年時不詳。聖光の生没年から一三世紀初め頃の成立か。『四十八巻伝』四六にわずかに引用されているのみで全文は伝わらず散逸した文献として扱われてきたが、平成二三年(二〇一一)、財団法人陽明文庫より発見され全文が明らかとなった。内容は法然の教説を正しく伝えようという意志のもと、法然の行状と思想を伝え、併せて聖光の自説が添えられている。東大寺講説や大原問答といった法然の事績や、聖光が法然のもとに通った際の状況が記されるなど、貴重な資料である。
【所収】恋田知子「陽明文庫蔵『道書類』の紹介(十)—弁長作『念仏往生修行門』翻刻・略解題—」(『三田国文』五四、二〇一一)
【執筆者:郡嶋昭示】