念仏三昧詩集の序
提供: 新纂浄土宗大辞典
ねんぶつざんまいししゅうのじょ/念仏三昧詩集の序
序のみ現存。廬山慧遠著。東晋・元興元年(四〇二)秋に廬山般若台阿弥陀仏像前において行われた、『般舟三昧経』に基づく念仏三昧立誓の際に作られた詩集の序文。『広弘明集』三〇に収録。その中で慧遠は、「思いを専一にし、想を寂める」念仏三昧の特質について述べ、種々ある三昧のなかで「すぐれた功徳をもち、実行しやすいのは念仏(三昧)が第一である」(訳文は『慧遠研究 遺文篇』三四七による)とし、その三昧に入るための心がまえについても言及している。慧遠の『念仏三昧詩集の序』のすぐ後に収められている王斉之の「念仏三昧詩」は、おそらくこのとき、念仏三昧詩集に収めるために作られたものと考えられる。
【所収】『広弘明集』三〇(正蔵五二、『四部叢刊』子部)
【参考】木村英一編『慧遠研究 遺文篇』(創文社、一九六〇)、『同 研究篇』(同、一九六二)
【参照項目】➡念仏三昧詩
【執筆者:鵜飼光昌】