一九世紀はじめ頃、生没年不明。徳本の弟子。徳本が摂津国西宮に滞在の折、ある夜の夢に八、九歳ほどの若地蔵と称する小沙弥が現れた。目覚めてのち地蔵堂を探させて、台座と光背を失っている地蔵尊を聖天堂に見つける。これを持ち帰り、台座と光背を弁了に作らせたという。徳本の伝記には「弁了沙弥」と記されている。
【資料】『徳本行者伝』中(戸松啓真他編『徳本行者全集』五、山喜房仏書林、一九七九)
【執筆者:渋谷康悦】