こうちょうぜっそう/広長舌相
仏の証である様々な身体の特徴(三十二相)の一つで、小さくは顔面、大きくは三千大千世界を覆うほどの大きさの舌。仏がこれを示すと、その言説には噓偽りがなく、それが真実であるとの決定的な証となる。『大智度論』八には、仏は摩訶般若波羅蜜を説く際、それが甚深にして、解し難く、知り難く、信受し難いものであることから三千大千世界を覆う舌を出したとある。『阿弥陀経』にも諸仏が三千大千世界を覆う舌を出すとあるが、これも阿弥陀仏の救いが常識では信じ難いことの反映と言える。
【参照項目】➡三十二相
【執筆者:袖山榮輝】