「機」とは「機根」、すなわち「能力・素質」のことで、「対機説法」とは「相手の能力・素質に対応した法を説くこと」を意味する。これは医者が患者の病気に応じて薬を与えることに喩えられるため「応病与薬」とも言われ、釈尊の説法の基本的な立場を表している。仏教の教えに従えば、有情は各自の業によって個性化された独自の存在であるから皆同じではなく、したがってその独自な有情を悟りに導くにも、それぞれの有情に適した法を説くことが求められる。
【参照項目】➡応病与薬
【執筆者:平岡聡】