埼玉県越谷市越ヶ谷。至登山遍照院。埼玉教区№四九。文明一〇年(一四七八)、太田道灌の創建、その叔父専阿源照の開山。また、古くは小田原北条氏の城砦に用いられたといわれ、北条氏による寄進状を蔵したと伝えられる。正親おおぎ町まち天皇(一五一七—一五九三)の第三皇子が天嶽寺の四世城誉だったことから、山門の鬼瓦には一六花弁の菊の紋が刻まれていて、近隣五箇寺(雲光院・遍照院・善樹院・法久院・松樹院)の触頭ふれがしらであった。
【参考】『浄土宗埼玉教区寺院名鑑』(一九九二)
【執筆者:稲岡正順】