大願寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
だいがんじ/大願寺
一
島根県大田市大田町大田。超世山無量院。石見教区№七。知恩院末。開山は二祖聖光。元久元年(一二〇四)聖光が法然の下を辞し鎮西に帰る途中、当地を訪れた際に村民の帰依寄進を受け当寺を建立し三年間布教をした。年代は不明であるが火災に遭い本堂が焼失。一九世観誉代に再建。その後三〇世廓誉代、四〇世林誉代にも諸堂、山門等を再建。その後一時無住となるが、四四世厳誉が復興に尽力した。江戸時代には石見地方の触頭であった。
【資料】『浄土宗寺院由緒書』上(『増上寺史料集』五)、『蓮門精舎旧詞』四六(続浄一九)、道光『聖光上人伝付録 上人道蹟第一』(浄全一七)
【執筆者:本田行信】
二
福岡県遠賀郡芦屋町山鹿。皆乗山得生院。福岡教区№六七。『大願寺永代記録帳』に建保二年(一二一四)、聖光の開基と伝える。芦屋町は中世の頃、下関と並ぶ港町で、聖光出生の地である現在の北九州市や遠賀郡一円の中心都市であった。文禄五年(一五九六)の火災等で、荒廃し寺号だけが残っていたが、慶長七年(一六〇二)利頓が再建。現在の本堂は天保七年(一八三六)に再建されたもの。
【資料】『蓮門精舎旧詞』三八(続浄一九)
【参考】芦屋町誌編集委員会編『芦屋町誌増補改訂』(芦屋町役場、一九九一)、『大願寺永代記録帳』
【執筆者:金田昭教】