四門出遊
提供: 新纂浄土宗大辞典
しもんしゅつゆう/四門出遊
釈尊が出家を決意したきっかけに関する仏伝の故事。四門遊観ともいう。釈尊がまだ太子であったとき、カピラ王城から遊園に出かけるため、城の四方の門から出る際、東門では老人を見て、南門では病人を見て、西門では死人を見て、最後に北門では沙門を見たという。釈尊はこの出来事をきっかけに老病死の人生苦を観じて、出家を決意した。この故事は四ニカーヤにはみられないが、同様な話がヴィパッシン仏の物語として伝わっている。またジャータカ序ではこれを詳しく説く。
【資料】DīgaNikāya, vol.2(PTS)、Jātaka, vol.1(PTS)、『修行本起経』下(正蔵三)
【参考】中村元『ゴータマ・ブッダⅠ』(『中村元選集〔決定版〕』一一、春秋社、一九九二)
【執筆者:北條竜士】