かくるはんざ/各留半座
極楽に往生した者が、後から往生してくる同行同心の者のために、蓮の台の半座を分けて待つこと。道感二流の箇条伝法において、五重伝目中、坐具の伝の一蓮托生を説諭する際、重視される用語である。隆円『吉水瀉瓶訣』には「又、一蓮託生と伝う。各留半座、乗華台、待我閻浮同行人の文意を以て之を解す」(『伝灯輯要』八四八)と述べ、善導『般舟讃』の「各の半座を留めて来人に与う」(浄全四・五三八上/正蔵四七・四五二上)の箇所と法照『五会法事讃』の「各の半座を留めて花葉に乗じ、我が閻浮同行人を待つ」(浄全六・六八八下/正蔵四七・四八二下)の箇所を典拠としている。
【参照項目】➡吉水瀉瓶訣、箇条伝法
【執筆者:後藤真法】