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十住心論について述べられける御詞

提供: 新纂浄土宗大辞典

じゅうじゅうしんろんについてのべられけるおことば/十住心論について述べられける御詞

法然空海十住心論』について述べた言葉。建仁二年(一二〇二)に語ったもの。内容は、前半部が『十住心論』に対する批判、後半部はその批判が理に適っていることを、空海と出会う夢を見たことで確信するものとなっている。批判については、撰述の姿勢と極無自性心解釈を中心に行われている。また夢については、法然は、自身の批判あるいは自分の抱いていた疑問が、空海の意に適っているから見た夢であると述べている。いずれにしても、法然の学徳の深さがうかがわれるものである。


【所収】聖典六・四二~六、昭法全四八三~五


【参考】林田康順「法然上人〈十住心論について述べられける御詞〉について」(『三康文化研究所年報』三五、二〇〇四)


【執筆者:石田一裕】