一巻。『勧心往生慈訓鈔』『勧心慈訓鈔』ともいう。聖冏撰。応永三年(一三九六)聖冏五六歳のとき、天台宗忍空の『勧心往生論』を注釈したもの。その内容は心性本来仏法と万法皆弥陀と歴縁りゃくえん対境念仏の三つに分かれており、歴縁対境念仏が論の本意であることを指摘している。その解釈に天台と浄土の違いが示される。
【所収】浄全一五
【参照項目】➡勧心往生論、歴縁対境
【執筆者:服部淳一】