到岸寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
とうがんじ/到岸寺
福島市大町。究竟山一乗院。福島教区№六〇。当地における名越派の中心寺院。慶長一三年(一六〇八)良憲一可の開山。良憲は、陸奥国楢葉郡の出身で、折木成徳寺で出家し、大沢円通寺で修学の後、成徳寺一四世となった。慶長年間(一五九六—一六一五)に当地を教化して名声をえ、杉妻の大日堂に住んで多くの信者を獲得した。伊達政宗の侵攻により住居ならびに仏像を破壊され、一時青葉山に移転したが、戦乱ののち城の近くに再興した。なお、良憲を円通寺四世とする説もあるが、年代的に無理があり、同名異人とするのが妥当である。
【資料】『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)
【参考】広野町史編さん委員会『広野町史』通史編(広野町、二〇〇六)
【執筆者:𠮷水成正】