ろくじんせっぽう/六塵説法
仏が衆生のために色・声・香・味・触・法の六種の認識対象(六塵。新訳では六境)をもって説法教化すること。衆生は眼・耳・鼻・舌・身・意の六根で知覚して仏法を修める。良忠『伝通記』三などに見える語で、同書は、六塵説法の例として、「目にその色を覩、耳にその声を聞き、鼻にその香を知り、舌にその味わいを嘗め、身にその光を触れ、心に法をもって縁ずるに一切皆甚深法忍を得て、不退転に住す」(聖典一・二四一/浄全一・一五)という『無量寿経』上に説かれる道場樹の一段を示す。
【参照項目】➡六根・六境・六識
【執筆者:宮入良光】