阿弥陀仏の四十八願の別称。六八弘誓ぐぜいともいう。たとえば良忠『東宗要』に「弥陀の本願は諸仏の本願に超えたまえり。薬師の十二願には不取正覚の言無し。弥陀の六八の願には不取正覚の言有り」(浄全一一・八四下)とある。特に鎌倉時代以降の日本浄土教諸師によってよく用いられた表現であるといえる。
【執筆者:安孫子稔章】