俱胝
提供: 新纂浄土宗大辞典
くてい/俱胝
ⓈⓅkoṭiの音写語。インドにおける数の単位で、一千万のこと。拘胝・俱致・拘致・拘梨などと音写し、億と漢訳される。サンスクリットの数の単位では、Ⓢeka(一)、Ⓢdaśa(一〇)、Ⓢśata(一〇〇)、Ⓢsahasra(千)、Ⓢayuta(万)、Ⓢlakśa(一〇万、洛叉)、Ⓢprayuta(一〇〇万、度洛叉)、Ⓢkoṭi(一千万、俱胝)となる。『俱舎論』一二(正蔵二九・六三中)などで示される六〇数の一つでもある。『大智度論』四に「千万を億と名け」(正蔵二五・八七上)とあり、『翻訳名義集』三([1]では俱胝は京とも注される。梵文『無量寿経』や『阿弥陀経』では「百千俱胝」(浄全二三・一一、一九五等)としてたびたび用いられ、計り知れない数を表す。
【執筆者:榎本正明】