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不共法

提供: 新纂浄土宗大辞典

ふぐうほう/不共法

共通しない、すなわち独特の属性。仏または菩薩の、声聞辟支仏びゃくしぶつにはなしえない能力で一八を挙げる。不共仏法ともいう。『俱舎論』二七に「唯だ諸仏の尽智の時に於てのみ修し、余聖の無しとする所の故に不共と名く」(正蔵二九・一四〇中)という。Ⓢāveṇikabuddhadharma。部派と大乗の二種がいわれ、部派のものは『俱舎論』二七(正蔵二九・一四〇上)などに説く、十力四無畏三念住、大悲を合わせて一八とするもの。大乗のものは、『大品般若経』広乗品に「菩薩摩訶薩摩訶衍まかえんとは所謂る十八の不共法なり」(正蔵八・二五五下)と出る、部派の一八法とは別個の、身無失に始まるもの。よく大乗経に仏の功徳を表す定型的な表現として「十力四無畏十八不共法」と羅列される。また経論によって法数も一〇(『八十華厳』五六、正蔵一〇・二九六中)、四八(『十住毘婆沙論』一〇、正蔵二六・七一下)、一四〇(『瑜伽論』四九、正蔵三〇・五六六下)など一定ではなく、内容も多様である。


【参照項目】➡十力四無畏十八不共法大慈悲三念住


【執筆者:小澤憲雄】