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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0002A01: 之言と。此御示しを仰ぎて。卽心念佛の荒增を。聞得
Z14_0002A02: たる人は。早く無常を悟りて。卽心念佛の務を。勵ま
Z14_0002A03: すべし。其勤の內には。難有心深くなることあるべ
Z14_0002A04: し。又疑ひ起ることもあるべし。疑ひ起らば。速に師
Z14_0002A05: 家へ。尋ね聞べし。但し談義は。四十九座に過べから
Z14_0002A06: ざれども。同じ談義を。幾度も聞ことは。然るべきこ
Z14_0002A07: となり。西方重聞。以表輕とて。唐土日本の人など
Z14_0002A08: は。同じことを。度々聞ば。くどしとて。いやがるな
Z14_0002A09: り。天竺の人は。大切のことゆへ。度々仰らると思ひ
Z14_0002A10: て。聞ば聞ほど喜ぶなり。日本人も。山ほととぎすは。
Z14_0002A11: 聞度にめづらしと云。卽心念佛を。山ほとゝぎすのや
Z14_0002A12: うに。思ふ人は。幾度も此法談を。聞度思ふべし。或人
Z14_0002A13: 問。談義本と云は。童べの玩ぶ。魚の名に似て。いと
Z14_0002A14: をかし。余云魚の名にも似よ。談義說の名にも似よ。
Z14_0002A15: それは。苦しからぬこと。唐の書に。講錄の。講本のと
Z14_0002A16: 云ふことあり。講釋を書付たる本なり。今は談義の爲
Z14_0002A17: に。書付たる本なれば。談義本と名付くるに。何のと
Z14_0002B01: があらんや。時に享保十二年。臘月仲旬。謙靈空。幻々
Z14_0002B02: 菴にて。書付さするものなり。
Z14_0002B03:    卽心念佛起りの事
Z14_0002B04: 抑末世の佛弟子は。極樂往生を求めて。念佛の行を務
Z14_0002B05: むるほど。結構なることはなし。然るに。往生の務め。
Z14_0002B06: 其品多けれども。持名念佛ほど。勤めやすくて。肝要
Z14_0002B07: なるはなし。持名念佛に就ても。理持の念佛。事持の
Z14_0002B08: 念佛。其品分れたり。善導。法然の勸めは。一向の事の
Z14_0002B09: 念佛なり。吾天台宗の貴む所は。卽心念佛なり。亦約
Z14_0002B10: 心觀佛とも云。亦理持とも云なり。卽心念佛と云は。
Z14_0002B11: 各我等が心は。身の內にあるやうに思はるれども。身
Z14_0002B12: の內にあるやうに思はるゝものは。緣影と云ものに
Z14_0002B13: て。本の心には非ず。本の心は。色もなく。形もなく。
Z14_0002B14: 周徧法界とて。どこがかぎり。どこがはてと云ことも
Z14_0002B15: なく。いつ始る。いつ終ると云こともなきものなるゆ
Z14_0002B16: へ。西方十萬億土の淨土も。彌陀。觀音も。心の外に出
Z14_0002B17: たるものにてはなし。故に淨土も。彌陀も。卽ち我心

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