ウィンドウを閉じる

Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0003A01: なりと知て。念佛申して。往生を求むるが。卽心念佛
Z14_0003A02: なり。此をよく心得るより外に。卽心念佛と云法門は
Z14_0003A03: なし。此卽心念佛の義。根本は。佛の說せ玉へる。觀無
Z14_0003A04: 量壽佛經より出たり。それによつて。卽心念佛と云名
Z14_0003A05: を立て。專ら弘め玉へるは。大唐宋の代の天台宗。第
Z14_0003A06: 十七代の祖師。四明尊者なり。因て尊者。妙宗鈔序に。
Z14_0003A07: 時之巧。非我所一レ能。願共有情。卽心念佛と。の玉へ
Z14_0003A08: り。此意は。時々の宜しきに順つて。色々の法を說。そ
Z14_0003A09: れ〲の機に適て。さま〲の法門を授くることは。
Z14_0003A10: 佛や。大菩薩ならでは。ならざることなるゆへ。四明
Z14_0003A11: 尊者は。只法界の衆生と共に。卽心念佛の一道を。勤
Z14_0003A12: めんとの。御願ひなり。此御願は。安樂行品の。但以大
Z14_0003A13: 乘法答の意に。本づき玉へり。又。爲種亦强の。思し召
Z14_0003A14: 入なり。然れば。卽心念佛の起りは。近くは四明尊者
Z14_0003A15: に始るなり。さて其根本は。佛の說玉へる。觀經より
Z14_0003A16: 出たりと云は。是心作佛。是心是佛と。說せ玉へる文
Z14_0003A17: なり。是心作佛。是心是佛と。の玉ふは。是心とは。各
Z14_0003B01: 吾等が。西方の彌陀佛を。思ふ心なり。其心が。彌陀佛
Z14_0003B02: を見出し奉るなり。卽其心が。直に是彌陀佛なりと。
Z14_0003B03: 云ことなり。又四明尊者。釋しての玉はく。以心佛同
Z14_0003B04: 。名心是佛。觀生彼果。名心作佛。意在心念佛。
Z14_0003B05: 及令果修一レ因と。此釋の意は。本來佛と。めん〱
Z14_0003B06: の心とは。同一體にして。少しも相かはらぬものなれ
Z14_0003B07: ば。是心是佛と說玉ふ。我心と佛と。相かはらずと思
Z14_0003B08: ふて。佛を思ひ。佛の名を唱れば。我が卽ち。阿彌陀如
Z14_0003B09: 來の如くの。結構なる佛になるゆへに。是心作佛と。
Z14_0003B10: 說せ玉へり。かくの如く說玉ふは。佛になりたく思ひ
Z14_0003B11: て。卽心念佛せしめん爲なりと。釋せられたり。往生
Z14_0003B12: 極樂を勸め玉ふ御經に。如此の理觀觀心を。說せ玉
Z14_0003B13: ふには。及ぶまじきことなるに。理觀觀心を說玉ひ。
Z14_0003B14: 殊に亦令未來世。一切凡夫。欲修淨業者。得生西方極
Z14_0003B15: 樂國土と說て。只今の我等凡夫までも。往生を求むる
Z14_0003B16: 人には。理觀觀念を勸め玉へり。とかく佛の本意は。
Z14_0003B17: 念佛に付ても。讀經に付ても。理觀觀心を示し玉ふな

ウィンドウを閉じる