浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0003A01: | なりと知て。念佛申して。往生を求むるが。卽心念佛 |
Z14_0003A02: | なり。此をよく心得るより外に。卽心念佛と云法門は |
Z14_0003A03: | なし。此卽心念佛の義。根本は。佛の說せ玉へる。觀無 |
Z14_0003A04: | 量壽佛經より出たり。それによつて。卽心念佛と云名 |
Z14_0003A05: | を立て。專ら弘め玉へるは。大唐宋の代の天台宗。第 |
Z14_0003A06: | 十七代の祖師。四明尊者なり。因て尊者。妙宗鈔序に。 |
Z14_0003A07: | 適レ時之巧。非二我所一レ能。願共二有情一。卽心念佛と。の玉へ |
Z14_0003A08: | り。此意は。時々の宜しきに順つて。色々の法を說。そ |
Z14_0003A09: | れ〲の機に適て。さま〲の法門を授くることは。 |
Z14_0003A10: | 佛や。大菩薩ならでは。ならざることなるゆへ。四明 |
Z14_0003A11: | 尊者は。只法界の衆生と共に。卽心念佛の一道を。勤 |
Z14_0003A12: | めんとの。御願ひなり。此御願は。安樂行品の。但以大 |
Z14_0003A13: | 乘法答の意に。本づき玉へり。又。爲種亦强の。思し召 |
Z14_0003A14: | 入なり。然れば。卽心念佛の起りは。近くは四明尊者 |
Z14_0003A15: | に始るなり。さて其根本は。佛の說玉へる。觀經より |
Z14_0003A16: | 出たりと云は。是心作佛。是心是佛と。說せ玉へる文 |
Z14_0003A17: | なり。是心作レ佛。是心是佛と。の玉ふは。是心とは。各 |
Z14_0003B01: | 吾等が。西方の彌陀佛を。思ふ心なり。其心が。彌陀佛 |
Z14_0003B02: | を見出し奉るなり。卽其心が。直に是彌陀佛なりと。 |
Z14_0003B03: | 云ことなり。又四明尊者。釋しての玉はく。以二心佛同 |
Z14_0003B04: | 體一。名二心是佛一。觀生二彼果一。名二心作佛一。意在三卽レ心念レ佛。 |
Z14_0003B05: | 及令二慕レ果修一レ因と。此釋の意は。本來佛と。めん〱 |
Z14_0003B06: | の心とは。同一體にして。少しも相かはらぬものなれ |
Z14_0003B07: | ば。是心是佛と說玉ふ。我心と佛と。相かはらずと思 |
Z14_0003B08: | ふて。佛を思ひ。佛の名を唱れば。我が卽ち。阿彌陀如 |
Z14_0003B09: | 來の如くの。結構なる佛になるゆへに。是心作佛と。 |
Z14_0003B10: | 說せ玉へり。かくの如く說玉ふは。佛になりたく思ひ |
Z14_0003B11: | て。卽心念佛せしめん爲なりと。釋せられたり。往生 |
Z14_0003B12: | 極樂を勸め玉ふ御經に。如レ此の理觀觀心を。說せ玉 |
Z14_0003B13: | ふには。及ぶまじきことなるに。理觀觀心を說玉ひ。 |
Z14_0003B14: | 殊に亦令未來世。一切凡夫。欲修淨業者。得生西方極 |
Z14_0003B15: | 樂國土と說て。只今の我等凡夫までも。往生を求むる |
Z14_0003B16: | 人には。理觀觀念を勸め玉へり。とかく佛の本意は。 |
Z14_0003B17: | 念佛に付ても。讀經に付ても。理觀觀心を示し玉ふな |