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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0001A01: 卽心念佛安心決定談義本序
Z14_0001A02:
Z14_0001A03: 客歲の秋。江州大津。善通寺の住持。淸堂上人。幻々菴
Z14_0001A04: に來りて。寒温を叙し畢りて。台宗の卽心念佛は。末
Z14_0001A05: 世の要行。往生の直路なる旨。兼て御示しを承り。難
Z14_0001A06: 有思ふゆゑ。折々檀越の輩に對して。說聞しむれど
Z14_0001A07: も。吾さへ。とくと會得せぬことなれば。聽人も。難
Z14_0001A08: 有は思へども。深く信受は。なりがたきやうに見へた
Z14_0001A09: り。何にとぞ。吾等がため。諸檀越のため。此念佛の安
Z14_0001A10: 心決定して。深く信得するやうに。御書記し玉はり候
Z14_0001A11: へかしと。懇望せらる。余が云く。此念佛のこと。拙者
Z14_0001A12: も。勤め得たりとは。思はれねば。いかでか。人々をし
Z14_0001A13: て。深く信得せしむることを得んや。然れども。五六
Z14_0001A14: 十年。台宗の敎觀を學び。唯心の淨土の往生を期する
Z14_0001A15: こと。忘るゝ日なければ。此念佛の安心は。暗からぬ
Z14_0001A16: やうに思ふ間。暇あらば。書記して見まひらせんと
Z14_0001A17: 云へば。上人。喜びて歸りぬ。其の後間もなく。上人俄
Z14_0001B01: に身まかりぬと聞て。驚惻の裏に。前約を速に償んと
Z14_0001B02: 思ひぬれども。指當ること多くて。延引せり。頃日。右
Z14_0001B03: の約束を。傳へ聞たる人。頻りに舊約の償を請はる。
Z14_0001B04: こばみ難くて。小僧に筆を執せて。書付さす。因て先
Z14_0001B05: 箇條を立て。七座の談義となす。第一には。卽心念佛
Z14_0001B06: の起りの事。第二には。卽心念佛の四字の義理の事。
Z14_0001B07: 第三には。卽心念佛の申し樣の事。第四には。卽心念
Z14_0001B08: 佛は。往生無生なる事。第五には。末世の要行は。卽心
Z14_0001B09: 念佛なる事。第六には。卽心念佛の功德利益の事。第
Z14_0001B10: 七には。卽心念佛の回向發願の事なり。此の七座を。
Z14_0001B11: 談義の功者なる人が。堅き處を和らげ。深き處を說ひ
Z14_0001B12: ろげ。種々の因緣。種々の譬喩を加へて。說のべたら
Z14_0001B13: ば。一座が二座になりて。二七十四座にもなり。一座
Z14_0001B14: が三座にもなりて。二十一座になり。乃至一座が七座
Z14_0001B15: になりて。七々四十九座にもなるべし。其より上は。
Z14_0001B16: 說廣ぐること。入ざることならんか。天台大師云。略
Z14_0001B17: 佛法大意。卽須悟無常懺悔行道。豈可逐不急

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