浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0001A01: | 卽心念佛安心決定談義本序 |
Z14_0001A02: | |
Z14_0001A03: | 客歲の秋。江州大津。善通寺の住持。淸堂上人。幻々菴 |
Z14_0001A04: | に來りて。寒温を叙し畢りて。台宗の卽心念佛は。末 |
Z14_0001A05: | 世の要行。往生の直路なる旨。兼て御示しを承り。難レ |
Z14_0001A06: | 有思ふゆゑ。折々檀越の輩に對して。說聞しむれど |
Z14_0001A07: | も。吾さへ。とくと會得せぬことなれば。聽人も。難レ |
Z14_0001A08: | 有は思へども。深く信受は。なりがたきやうに見へた |
Z14_0001A09: | り。何にとぞ。吾等がため。諸檀越のため。此念佛の安 |
Z14_0001A10: | 心決定して。深く信得するやうに。御書記し玉はり候 |
Z14_0001A11: | へかしと。懇望せらる。余が云く。此念佛のこと。拙者 |
Z14_0001A12: | も。勤め得たりとは。思はれねば。いかでか。人々をし |
Z14_0001A13: | て。深く信得せしむることを得んや。然れども。五六 |
Z14_0001A14: | 十年。台宗の敎觀を學び。唯心の淨土の往生を期する |
Z14_0001A15: | こと。忘るゝ日なければ。此念佛の安心は。暗からぬ |
Z14_0001A16: | やうに思ふ間。暇あらば。書記して見まひらせんと |
Z14_0001A17: | 云へば。上人。喜びて歸りぬ。其の後間もなく。上人俄 |
Z14_0001B01: | に身まかりぬと聞て。驚惻の裏に。前約を速に償んと |
Z14_0001B02: | 思ひぬれども。指當ること多くて。延引せり。頃日。右 |
Z14_0001B03: | の約束を。傳へ聞たる人。頻りに舊約の償を請はる。 |
Z14_0001B04: | こばみ難くて。小僧に筆を執せて。書付さす。因て先 |
Z14_0001B05: | 箇條を立て。七座の談義となす。第一には。卽心念佛 |
Z14_0001B06: | の起りの事。第二には。卽心念佛の四字の義理の事。 |
Z14_0001B07: | 第三には。卽心念佛の申し樣の事。第四には。卽心念 |
Z14_0001B08: | 佛は。往生無生なる事。第五には。末世の要行は。卽心 |
Z14_0001B09: | 念佛なる事。第六には。卽心念佛の功德利益の事。第 |
Z14_0001B10: | 七には。卽心念佛の回向發願の事なり。此の七座を。 |
Z14_0001B11: | 談義の功者なる人が。堅き處を和らげ。深き處を說ひ |
Z14_0001B12: | ろげ。種々の因緣。種々の譬喩を加へて。說のべたら |
Z14_0001B13: | ば。一座が二座になりて。二七十四座にもなり。一座 |
Z14_0001B14: | が三座にもなりて。二十一座になり。乃至一座が七座 |
Z14_0001B15: | になりて。七々四十九座にもなるべし。其より上は。 |
Z14_0001B16: | 說廣ぐること。入ざることならんか。天台大師云。略 |
Z14_0001B17: | 知二佛法大意一。卽須下覺二悟無常一懺悔行道上。豈可レ馳二逐不急 |