浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0222A01: | ●(六)本有の佛性なり。●(七)だ▲佛のたねといふ |
Z08_0222A02: | 事なり。乘の字は運載の義にて。所證の法になづく。 |
Z08_0222A03: | 性とは理體に增減變改なきをいふなり。●(八)性具 |
Z08_0222A04: | なり。○是より上は。他の衆生を。かろしめざれとの |
Z08_0222A05: | 義なり。是はわが身を卑下すべからずとの事なり。● |
Z08_0222A06: | (九)是は佛の位なり。佛に十種の德號まします。如來。 |
Z08_0222A07: | 應供。正徧知。明行足。善逝。世間解無上士。調御丈夫。 |
Z08_0222A08: | 天人師。佛。世尊これを十號といふなり。𣵀槃經など |
Z08_0222A09: | に。くはしき說あり。此位になりて。世にうやまわる |
Z08_0222A10: | るゆへに。たかきくらゐといふなり。●(一〇)すでに |
Z08_0222A11: | 佛性同じければ。ねがふにいはれ有るなり。●(一一) |
Z08_0222A12: | 一切衆生。本來の佛性あり。法王とは。佛の御事なり。 |
Z08_0222A13: | 王とは自在の義なり。法に自在を得給ふゆへなり。父 |
Z08_0222A14: | の帝の禪をうけて。位を繼ぐは太子なり。衆生の佛性。 |
Z08_0222A15: | 本尊に同して。終に佛の位になるべければ。法王の御 |
Z08_0222A16: | 子と云なり。佛地論ニ云ク。從二世尊ノ口ノ正法一所レ生。紹二- |
Z08_0222A17: | 繼M(シテ)佛身ヲ一不二斷絕一。故ニ名ク二法王子ト一云云。●(一二)さうあ |
Z08_0222A18: | れどもなり。●(一三)一切の衆生なり。●(一四)一念 |
Z08_0222A19: | の迷ひ始めなり。●(一五)極樂をみづからの家とい |
Z08_0222A20: | ふなり。法事讚に自家國と有り。記ニ云ク。極樂ヲ名ケレ自ト。 |
Z08_0222B01: | 流轉ヲ名クレ他ト。●(一六)迷出の二字なり。まよひそむる |
Z08_0222B02: | なり。●(一七)本にかへらず流轉するなり。●(一八) |
Z08_0222B03: | 三界の流轉を他の鄕といふ。釋ニ云ク。去來他鄕不可停。 |
Z08_0222B04: | ●(一九)とらへられたるより後なり。ての字は助語な |
Z08_0222B05: | り。初はみづからまよひいでたり。是は魔王にとらへ |
Z08_0222B06: | らる〻なり。●(二〇)天竺の詞には。魔羅といふを。 |
Z08_0222B07: | 飜じては能奪命といふなり。よく智慧の命をうばふ |
Z08_0222B08: | 義なり。欲界の第六の天に住す。其主たるものを。第 |
Z08_0222B09: | 六天の魔王といふなり。●(二一)譜は屬なり。代々そ |
Z08_0222B10: | の家に屬するものをいふ。又譜第とも書く。●(二二)奴 |
Z08_0222B11: | の字なり。下人の事なり。和名に。婢の字をも。やつこ |
Z08_0222B12: | と訓ず。說文ニ曰ク。男ノ入ヲレ罪ニ曰レ奴ト。女ノ入ヲレ罪ニ曰レ婢ト。 |
Z08_0222B13: | ●(二三)此界は魔王の領する處なり。我等今まで。お |
Z08_0222B14: | ほくは此欲界にうまる〻ゆへに。魔王のやつことな |
Z08_0222B15: | り。たび〱生を替ても。同じ欲界にあるを譜代とい |
Z08_0222B16: | ふなり。智論ニ云ク。魔王ハ爲二欲界ノ主ト一云云。●(二四)地獄。 |
Z08_0222B17: | 餓鬼。畜生。修羅。人間。天上也。●(二五)たてよこなり。先 |
Z08_0222B18: | づ地獄より死て餓鬼に生れ。また死して畜生となり。 |
Z08_0222B19: | 乃至。天にうまれ。如レ此六道を。次第にうかび。しづむ |
Z08_0222B20: | を。縱にまよふといふなり。又六の道の內。何れにても |