ウィンドウを閉じる

Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0110A01: かぎりなく。佛にうれへ申してし。しるし(驗)ならむ。
Z08_0110A02: まのあたり(メイ)()のをしへをき〻て。はるかに上人の
Z08_0110A03: 素意をしりぬるにこそ。臨終も心やすく。往生もうち
Z08_0110A04: かためておぼえぬれ。(五六)かの韋提希の世尊に(クツ)
Z08_0110A05: 一本作屈せし時。釋梵そらに住して。二尊の敎益を蒙り
Z08_0110A06: し。むかしの佛化にならずら(准)へて。この修行者の
Z08_0110A07: 智識にあひし日。愚僧みぎり(砌)にのぞんで。一宗
Z08_0110A08: の祖訓をさとる。いまの得益をおもふに。まことにこ
Z08_0110A09: れ多生の大慶也。いかでか又小緣(おぼろげ)の宿因なら
Z08_0110A10: んや。(五七)た▲し。うらむるところは。一旦にむなし
Z08_0110A11: くわかれて。再會しばらくへだ▲りぬる事を。た▲み
Z08_0110A12: みにと▲まることばのみぞ。いまは心にのこるかた
Z08_0110A13: みならん。(五八)さしもありがたきおもひいでの。跡
Z08_0110A14: なくわすれなんは。ほいなかるべければ。その一夜の
Z08_0110A15: 閑談をあつめて。この三卷の記錄とす。(五九)と(左)
Z08_0110A16: しても。かく(右)しても。た▲身をまかせてたのめ。
Z08_0110A17: 本願たすけ給ふべしとのみき〻しかば。歸命本願鈔
Z08_0110A18: とやなづくべからむ。(六〇)
Z08_0110B01: 諺註
Z08_0110B02: ●(一)修行者すでに上來の說法を聞て。安心落居す
Z08_0110B03: といへども。ます〱信を決せんがために。相傳の源
Z08_0110B04: をたづぬるなり。●(二)黑谷の正義をきかんとおも
Z08_0110B05: ひて。あなたこなたをまよひたづねて。修行しめぐる
Z08_0110B06: なり。●(三)たづねまよひし〻るしには。いかさま淨
Z08_0110B07: 土の法門の片端をばきけるとなり。又修業者。最初の
Z08_0110B08: 詞には。みづから卑下して。つや〱立入ぬ事にて。
Z08_0110B09: 不審までもをよばぬ。うゐ〱しさなどいへり。爰に
Z08_0110B10: はその實をあらはして。げにはといふ。●(四)經釋の
Z08_0110B11: 言は。ひろく通ずれども。是れ別して淨土の三部經。大
Z08_0110B12: 師上人の御釋なるべし。あまねく名僧たちの勸化を
Z08_0110B13: 聞に。異義まち〱にして。多分は經釋に相違する事
Z08_0110B14: のみなり。いかに言を巧にすとも。是を經釋にあはせ
Z08_0110B15: 勘へて。たがふ義ならば。たれか信用せんや。○しかる
Z08_0110B16: に當世の後學は。なを此たぐひおほし。經釋にも未熟
Z08_0110B17: にして。佛祖の御心をよくもしらず。妄に臆說をなし
Z08_0110B18: て。人をす〻む。無智の道俗は。つや〱經釋に立いら
Z08_0110B19: ねば。その邪義をしらず。一向にこれを信ず。あやう

ウィンドウを閉じる