浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0109A01: | をろかならんものはあざけりなん。法門のことはり |
Z08_0109A02: | を。わきまへざる(不辨)がゆへに。(三八)かしこから |
Z08_0109A03: | ん人は。かろしむべからず。智者のことばをつたへた |
Z08_0109A04: | るがゆへに。(三九)よく〱き〻と▲め給へ。ゆめゆ |
Z08_0109A05: | め(謹々)いるがせにな(勿)し(爲)たまはせそ。(四〇) |
Z08_0109A06: | かやうに申すは。をこ(嗚呼)なる荒言なりや。(四一) |
Z08_0109A07: | されども。法門にあやまりあ(有)りな(無)しは。法 |
Z08_0109A08: | 然上人の。あそばしをかれたる物ども。世にかくれな |
Z08_0109A09: | く侍り。又さきに申つるひじりたち(聖等)のことば |
Z08_0109A10: | を。き〻と▲めたる人も。こ〻かしこ(彼此)におほくの |
Z08_0109A11: | こりたれば。かれをひらき。これをとぶらはんにしら |
Z08_0109A12: | れぬべし。(四二)としより(老)のくりごと(諄々)し侍 |
Z08_0109A13: | るほどに。(四三)夜もはやあけがたになりぬらん。身 |
Z08_0109A14: | もひえ。傍源語むねもわびしければ。さのみは申しつく |
Z08_0109A15: | しがたし。この一夜の結緣をもて。かの九品の値遇をま |
Z08_0109A16: | たんと。いひすて〻た〻れぬ。(四四)この修行者。さ |
Z08_0109A17: | ぞあやなくおもふらん。心の中にのこる事おほかる |
Z08_0109A18: | べし。(四五)なをもした(慕)ひていはんとにや。やが |
Z08_0109A19: | てつ▲きていでぬ。(四六)そのありさまゆかしくて。 |
Z08_0109A20: | 愚僧も又たちいで〻みれば。あけがたのきりふかく |
Z08_0109B01: | して。ゆくゑむなしく見うしなひぬ。(四七)ねんなし |
Z08_0109B02: | (無念)とあき(惘)れゐたるほどに。夜もあけ。きり |
Z08_0109B03: | もはれにしかば。佛にいとま申てまかンで(退出)侍 |
Z08_0109B04: | りにき。(四八)抑安心僻越しぬれば。萬行いたづらに |
Z08_0109B05: | ほどこす。(四九)邪師邪敎。をそれずばあるべからず。 |
Z08_0109B06: | (不レ可レ不レ怖)(五〇)これによりて。としごろ。いかがして法 |
Z08_0109B07: | 然上人の正義をうけて。凡夫往生の徑路(ちかみち)を。あ |
Z08_0109B08: | きらめましと思侍りしに。(五一)むなしくすぎ(空過) |
Z08_0109B09: | し月日のかげ(陰)かたふきぬる身のよはひ。無常の |
Z08_0109B10: | ☆者。(かりひと)しきり(累)にかり(獵)もてゆく。屠所の |
Z08_0109B11: | ひつじ。心ならずあゆみをいそぐ。たちかへるべきみち |
Z08_0109B12: | ならねば。ゆくさきのみ。ちかづくらん。(五二)一息か |
Z08_0109B13: | へらざれば。これを後世に屬す。一念蹉跎(つまつく)せば。 |
Z08_0109B14: | すなはち輪廻(めぐりめぐる)に墮(をつる)せん。(五三)いたづ |
Z08_0109B15: | らにつちとなり。煙とならんずる身をのみおもひて。か |
Z08_0109B16: | なしく。こほり(氷)にむせ(咽)び。ほのを(炎)にむ |
Z08_0109B17: | せばんずる。たましゐをかへり見ざるは。後のくゐ。 |
Z08_0109B18: | (悔)さきにた〻ぬなげきも。いまの事ぞかし。(五四) |
Z08_0109B19: | 後の世の。さりともと。おぼゆるたのみもなければ。命 |
Z08_0109B20: | のをはりも。す▲ろにおそろしかりしほどに。(五五) |