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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0386A01: 年唐の道璿來朝し大安寺の行表七十三にして受戒す
J19_0386A02: 是等を始として今に至り宗宗家家範を異にし制を改
J19_0386A03: むれともみな十戒五戒三歸具足戒の具略にして別に
J19_0386A04: 邪流の徒なし今淨家に度始を考ふるに勢觀平師盛朝臣子
J19_0386A05: 久我内府通親公子より大師の自度少からす其後門徒諸國に蓮
J19_0386A06: 社を造立し寺院を開基するに及ひ師自ら其弟子に傳
J19_0386A07: 法傳戒有て而して後檀林談處に遊ひ高論精議をき
J19_0386A08: き尋て終に宗意の玄妙を證悟す然るを應永年中了譽
J19_0386A09: 聖冏上人始て常法幢をたて白旗の正傳猥に傳燈を
J19_0386A10: ゆるさす宗制鴻範を群國につたへ及ほされしかは一
J19_0386A11: 宗の緇徒其高風を仰き其德行を感し西は薩摩對馬を
J19_0386A12: かきり東は夷境松前をさかひとして蓮門般舟の寺院
J19_0386A13: に度する處の僧を下關せしめ關左談林の璽書を得せ
J19_0386A14: しめんか爲に座階被位の掟令を守り能化所化數臘の
J19_0386A15: 長短をたつ〓神祖登位の時元和中三十五箇條の中に
J19_0386A16: 毎年に七十人の入寺掛錫を當山に許可なし給ひしか
J19_0386A17: は十八山の内にも縁山入寺は毎年正月十一日を期し
J19_0386B18: 七十人を定む其餘に至りては諸國より掛錫を願ふと
J19_0386B19: いへとも是を許さすゆへいかんとなれは此入寺の前
J19_0386B20: 後によりつゐに一宗の僧綱規模の顯職に及ぶべき最
J19_0386B21: 首なるか故也然りといへとも群國途程遠くして前年
J19_0386B22: の便補時を失へる時は智龍義鳳の學士もいたづらに
J19_0386B23: 其望を失ひ或は退心に迫り或は懶怠に逮ふ故に中古
J19_0386B24: 似我弟子の一分をたて是を哀衞し法待度制いよいよ
J19_0386B25: 精密なり是はこれ當山一所の制也自餘十七ケの檀林
J19_0386B26: みなそれそれの規範あり今の所論に非す略之されは掛
J19_0386B27: 錫は千里步程の首途翔空禽翅の始翼也但し春秋十五
J19_0386B28: にみてざるはたとへ葢世の才名ありといへとも是を
J19_0386B29: 許可せす今日の證期を以て臘次の進座を定む故に寮
J19_0386B30: 持の直弟は剃度即日入寺免許あり
J19_0386B31: ○五重
J19_0386B32: 掛錫已後漸次に誦經念佛し宗學を琢磨し三心五念の
J19_0386B33: 姿四修二行の要をさぐりていよいよ生死を宗門にま
J19_0386B34: かせ身心を願王につくすへき度量をしりて三國傳

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