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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0353A01: 知吟廣蓮社濟譽元文三ノ九月廿二日 戒忍成蓮社辨譽寶曆八ノ四月廿三日 忍成還蓮社得譽安永三ノ七月廿八日 善冏圓蓮社融譽安永六ノ八月八日 泰山音蓮社聲譽文化五ノ六月廿二日 宣山生蓮社長譽
J19_0353A02:
J19_0353A03: ○瑞華院 山下谷もと北谷にあり
J19_0353A04: 開祖天譽上人は御當山第五主たり住山の時當院をひ
J19_0353A05: らきて隱棲の地とし弟子淨門をして住せしむ相つき
J19_0353A06: て般舟の道塲として往生を願ふもの常に參詣せり其
J19_0353A07: 後御當山十八世定譽上人院を中興し給ひ鎭守熊野廟
J19_0353A08: の別當を兼帶せしめらる今猶しかり又別に本地堂の建縁
J19_0353A09: 起を自述せられ堂を建らる
J19_0353A10: 或云三世法林は安房國人里見氏の臣白濱左近の弟な
J19_0353A11: り總房の戰數度武功ありといへとも讒臣ありて其賞
J19_0353A12: を得さるをいかりて讒臣長狹某を討とり家を出北條
J19_0353A13: 家に仕へんと船にて渡りける時風起りて船既にあや
J19_0353B14: ふかりける時一心に觀音をいのりしかば船かろうし
J19_0353B15: て當國箕田村の濱につきしかは今金杉のあたりなり是より淺草
J19_0353B16: の觀音に至りて滿願を禮拜しける時一僧堂にありて
J19_0353B17: 歸路をともにせんと乞しかば語りともなひて古往今
J19_0353B18: 來の事をとひこたへし時身の上の事に及びければ北
J19_0353B19: 條家をたのみ仕官せん事など語りしにこの僧大に笑
J19_0353B20: ひ凡そ人のいけるは五十年といへと不定の世中にて
J19_0353B21: あすも定がたし既に御身他の者を害し其上にて身を
J19_0353B22: 安全にせんとおほすとも上天何ぞゆるし給べき讒臣
J19_0353B23: のなせるも御身の不幸と謂ふべし又其害せられしも
J19_0353B24: のの一族うらみやらではあるべき又今まで敵となり
J19_0353B25: 又は和交なせる北條家とて御身のきたるを待ものは
J19_0353B26: あるべからずさすれば御身は身の一ツをたもつへき
J19_0353B27: 斗りにかく勞思をつみたまふはいとおろかなるべし
J19_0353B28: 既に御身船にて死すべきを觀音大士の利濟に生たま
J19_0353B29: へは生をかへしにひとしかるべし又害せられし人其
J19_0353B30: 前日までも御身に害せらるべきをばしり得まじさす

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