浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J19_0217A01: | 建て、下段には塔頭支院を設けしむ。尋いて元和三 |
| J19_0217A02: | 年德川秀忠公三門及經藏を營み、五年に至り落慶す。 |
| J19_0217A03: | 是に於て諸堂悉く完備し、海内無雙の名刹となる。 |
| J19_0217A04: | 然るに 明正天皇寬永十年正月九日、俄然火を失し |
| J19_0217A05: | て大殿諸堂一時に灰燼となり、僅に上段の舊宇と三 |
| J19_0217A06: | 門經藏とのみ其災を免るることを得たり。現住雄譽靈 |
| J19_0217A07: | 巖上人三十二世江戸に赴きて陳謝す。將軍家光公直ちに |
| J19_0217A08: | 再建の命を下し、片桐石見守貞昌等之を奉行して、同 |
| J19_0217A09: | 年十二月起工の式を擧け、約八年を閲して、現今の |
| J19_0217A10: | 御影堂、集會堂、大小方丈、大小庫裡等悉く落成す。 |
| J19_0217A11: | 傳へいふ。寬永の初德川氏甲府城を築くの意あり。 |
| J19_0217A12: | 材を木曾山中麝香谷に索めて之を選伐す。會會本院 |
| J19_0217A13: | 回祿にかかりしかは、悉く之を轉用すと。時德川三 |
| J19_0217A14: | 代の盛時に屬し、鉅萬の資財と幾多の人工とを惜ま |
| J19_0217A15: | さりしを以て、規模宏壯に輪奐の美を恣にし、闔國 |
| J19_0217A16: | 多くその比を見さる、蓋し所以なきにあらさるな |
| J19_0217A17: | り。 |
| J19_0217B18: | 德川氏の治世中、寬文、元祿、寶曆、文化、萬延の諸度 |
| J19_0217B19: | 大修繕を行ふ。一に幕府の經營にかかる。今亦門末 |
| J19_0217B20: | 信徒の翼賛を得て、明治四十年以降大修繕を加ふ。 |
| J19_0217B21: | 又阿彌陀堂は明治十一年舊堂解除の後、遍く全國に |
| J19_0217B22: | 募縁して、三十六年十一月工を起し、四十三年四月 |
| J19_0217B23: | 慶讃式を擧く。 |
| J19_0217B24: | 今左に諸堂の大概を記せは、 |
| J19_0217B25: | 三門 梁行六間半、桁行十四間半、二階、西面瓧 |
| J19_0217B26: | 葺也。元和五年德川秀忠公の建立にして、明治三十 |
| J19_0217B27: | 五年七月特別保護建造物に編入せらる。 |
| J19_0217B28: | 階上は極彩色にして、中央に寶冠の釋迦牟尼佛坐像、 |
| J19_0217B29: | 左右に善財童子、須達長者及十六羅漢の木像を安置 |
| J19_0217B30: | す。共に大佛工康猶法印の作なり。樓上に揭くる「華 |
| J19_0217B31: | 頂山」の額は、寶永七年十一月 靈元天皇の宸翰な |
| J19_0217B32: | り。 |
| J19_0217B33: | 御影堂 本堂または大殿とも云ふ。梁行十九間桁 |
| J19_0217B34: | 行廿四間半、南面瓧葺外椽四方幅二間、前拜梁行十三間、桁行二間、後門梁行七間、桁行五尺也。 |