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J2750 徳本行者伝 行誡 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0430A01: ば。天眼をも。他心をも。宿命通をも得たるかと。怪
J18_0430A02: しむべし。さるわざは。末の世にはあらぬ事なり。
J18_0430A03: これは經に説給へるにつきてしめすなり。梵網經曰
J18_0430A04: 若佛子以慈心故行放生業應作是念一切男子
J18_0430A05: 是我父一切女人是我母我生生無不從之受生故六
J18_0430A06: 道衆生皆是我父母而殺而食者即殺我父母亦殺我
J18_0430A07: 故身かくの如。六道の衆生は皆我父ははなり。久久
J18_0430A08: にて逢たる親達に。をかしき歌一節うたひて聞せん
J18_0430A09: とて。尋來りしといへる歌三首。第二句に六字をよ
J18_0430A10: みいれ玉へる歌二首をうたひて。其歌の講釋懇にし
J18_0430A11: 給へり。いといと鄭重の御示なりき。そは別に記し
J18_0430A12: たれば今ははぶく。
J18_0430A13: 遺語
J18_0430A14: 德本命終の後。最後に不思議なる事ありやと問もの
J18_0430A15: あらば。答ていへ。我師四歳の時より念佛して。六
J18_0430A16: 十一歳まで申つづけ。最後命終の時。南無阿彌陀佛
J18_0430A17: と申て。息とどまりをはんぬ。別に不思議といふ事
J18_0430B18: なし。然るに德本如き凡夫の。報土に往生を遂るこ
J18_0430B19: と。これをこそ不可思議。不可説なりといふべきな
J18_0430B20: れ。
J18_0430B21: 淨土眞宗一大事
J18_0430B22: 南無阿彌陀佛
J18_0430B23: 念佛は阿彌陀佛の本願。諸佛の證誠。釋尊の付屬。
J18_0430B24: 善導大師。圓光大師のをしへなり。唯往生極樂の爲
J18_0430B25: には南無阿彌陀佛と申て。疑なく往生するぞとおも
J18_0430B26: ひとりて。申外には別の子細候はず。是は一枚起請
J18_0430B27: 文の中にて。要中の要なり。其餘は廢立の行儀のこ
J18_0430B28: とわりを。申ばかりの事なり。予が門弟たるもの
J18_0430B29: は。一向專念の金言を仰ぎ。一枚起請文を。深肝に
J18_0430B30: そみ。心にとどめて。もろもろの雜行にわたるべか
J18_0430B31: らず。又蓮友の交り親眤にいたし。互に警策を加へ
J18_0430B32: て。心行怠慢なく。稱名の一行を專にして。一佛淨
J18_0430B33: 土の本懷を遂べきなり。
J18_0430B34: 夫戒は佛法の通規なり。おのおのよろしく隨分に戒

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